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リチャード王の十字軍

リチャード1世
リチャード1世

 リチャード王はイギリスの国王で、第三回十字軍の英雄。アラブの英雄サラディンとエルサレムを巡って争い、「獅子心王」の異名をとった。

エルサレム王国の滅亡と第三回十字軍

 サラディンは1187年にヒッティーンの戦いで十字軍の主力部隊を撃破し、シドン、ベイルート、ヤッファなどの主要都市を奪還。さらに聖地エルサレムを占領し、十字軍国家のエルサレム王国を滅ぼした。

 危機を知ったローマ教皇グレゴリウス8世は、聖地奪還のための新たな十字軍を呼びかけた。これに神聖ローマ帝国の「赤髭王」フリードリヒ1世、フランスの「尊厳王」フィリップ2世、そしてイギリスの「獅子心王」リチャード1世が応じた。ヨーロッパ主要国の国王が参加する第三回十字軍は、すべての十字軍の中でも最も豪華な顔ぶれとなった。

アッコン攻略

 最初に出発したのは、赤髭王フリードリヒ1世である。フリードリヒ1世はサラディンの軍勢を上回る軍を率いてビザンチン帝国に入り、小アジアに入った。しかし、サレフ川で溺死してしまった。

 一方のリチャード1世とフィリップ2世は、別々に海路でパレスチナへ向かった。リチャードの船団は嵐に遭いキプロス島に漂着。島を占領した。フィリップはティールに到着し、フリードリヒの残兵加えてアッコンを包囲した。そこへリチャードが到着し、攻略に成功する。

 しかし、オーストリア公レオポルト5世がリチャードと対立して帰還してしまい、フィリップも病気を理由にフランスに帰ってしまった。こうして十字軍の君主はリチャードのみとなった。

リチャード1世とサラディンの戦い

 リチャードはアッコンを出発し、港湾都市ヤッファの攻略を目指した。アルスフの戦いでサラディンの軍勢を打ち破り、ヤッファの占領に成功。エルサレムに接近するが、サラディンの大軍が待ち構えていたため撤退した。一方のサラディンもヤッファ奪還を試みたが、リチャードに敗れた。

 リチャードとサラディンは戦いと平行して交渉を行い、アッコンやヤッファ、ティールをエルサレム王国の管理下に置き、エルサレムはイスラムの統治下とすること、非武装のキリスト教徒がエルサレムに巡礼することを許可することで合意した。

 こうしてリチャードは帰国の途につき、第三回十字軍は終了した。

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イギリスの遺産