世界史Civ事典

オランダのチューリップ・バブル

 オランダのチューリップ・バブルは世界初のバブル経済事件として、たびたび名前が挙げられます。チューリップ・バブルは1630年代にオランダで発生しました。

チューリップの人気

 当時のオランダは東インド会社が設立され、経済が活性化した時期でした。株価や住宅価格が上昇し、市民は豊かな生活を享受できるようになっていました。

 チューリップはオスマン帝国から輸入され、その美しさから貴族や王族の間で人気が出ていました。中でも美しい模様をつけるチューリップが金持ちの中で人気になり、その球根はどんどん値上がりしていました。

チューリップ・バブルの発生

 この球根の根上がりに、一般市民までもが目をつけるようになりました。珍しいチューリップの球根は金よりも価値がつくようになり、転売目的のために次々と買われていきました。

 この現象は普通のチューリップの球根にも波及し、もはやチューリップの球根であれば何であれ高い価値がつくようになりました。球根は次々と転売されましたが、それは先物取引で売買され、実物の引き渡しはありませんでした。実物の球根ではなく、将来の球根に対する証書が売り買いされていたのです。

 このことから、チューリップ取引は「風の取引」などと呼ばれていました。投資家たちは実物を目にすることなく取引を行い、一夜にして財産を築いたり失ったりしました。

 最も価値があるとされた球根のピーク時の価格は、首都アムステルダムの最高級住宅に匹敵するほどでした。

チューリップ・バブルの崩壊

 1637年2月3日、ハールレムで球根の価格が急落しました。

 これをきっかけに噂が広がり、球根を買う人がいなくなりました。球根の取引は自宅を担保にしたり、借金で行っていた人が多く、オランダ国内では破産者が続出しました。

 チューリップの熱狂はオランダ国民にとって愚かさの象徴になり、ヨーロッパにおいて、チューリップはバブル経済の代名詞になったのです。